第49期サスティナビリティレポート

目次

トップメッセージ


  近年は、自然災害や地政学対立によるサプライチェーンの混乱、欧米の金融引き締めによる世界経済の景気後退、人口減少に起因する人手不足など、様々なリスクが顕在化しています。また、気候変動、生物多様性といったサスティナビリティに関連する地球規模の課題と、その解決に向けた考え方「サーキュラーエコノミー」「カーボンニュートラル」「GX(グリーントランスフォーメーション)」などに対する関心が高まっています。

 そのような経営環境の中、ホーメックスは企業理念「快適環境創造企業」を掲げて、事業活動を通じて、社会の課題解決に取組んで参りました。ホーメックスの事業は、人々の暮らしや街づくりといった「環境」に直接関わっており、SDGsにつながる取組みは、私たちにとって特別なことではありませんでした。例えば環境事業において、缶・ビン・PETといった資源のリサイクルを行ったり、総合ライフサポート事業において、建物のエネルギー効率化を行ってきました。

 今年2023年10月に、会社創立から50期目を迎えることができました。その節目の年に、地元豊田の「豊田市SDGs認証制度」において、最上位「ゴールド」認証をいただくことができました。この制度は、持続可能な商品・サービス・企業活動を認定したり、資金を支援したりすることで、市民やお客様が持続可能なものを選びやすくする、先進的で素晴らしい制度だと思います。

この認証をスタートにして、これからもステークホルダーの皆様の声に耳を傾け、各職場において、社員一人ひとりが期待に応えることに全力を注ぎます。そして、サスティナブルな社会づくりに貢献していきたいと思います。

代表取締役社長 

ステークホルダーとの協働に関する考え方


 ホーメックスは、企業理念に基づきステークホルダー(お客様、お取引先、地域社会、社員と家族、行政機関、金融機関等)から信頼される企業を目指します。
 そのため、常にステークホルダーの期待や関心を把握し、積極的に情報開示に努めることが重要と考え、対話を通じて得られた「声」を、企業活動に反映させていきます。


サスティナビリティの考え方、推進体制


 ホーメックスのサスティナビリティの考え方は、経営理念、ブランドメッセージ、VISION2030、そして中期ビジョン「SSプラン」として明示しています。
 私たちは、「快適環境創造企業」を企業理念として、一人ひとりがブランドメッセージ「快適以上をつくれ。」を使命と考えています。当社の事業活動を通じて、人を笑顔にして幸せにする。そして街を明るく、明日をもっと輝かせることを目指しています。
 経営ビジョンでは、SDGsの目標と同じ2030年に向けて、VISION 2030「社会の課題に立ち向かう環境サービスのリーディングカンパニー」を掲げており、環境問題など様々な社会問題を解決すべく、ホーメックスが業界や地域を牽引し、なくてはならない企業として支持される姿を描いています。
 また、中期経営計画では、中期ビジョン「SSプラン」を掲げており、「Social Value ソーシャルバリューの創造」「Sustainable サスティナブルな社会づくりへの貢献」の2つを柱としています。ソーシャルバリューの創造はこれらのビジョンで、地球・社会・そこに暮らす人の姿や、自分たちのありたい姿を思い描き、そこからバックキャストすることで、現在なすべきことや、中期的に取組むべきことを計画書に明記しています。
 サービス業を中心とする当社では、社員一人ひとりの行動が、サービス品質そのものといえます。そこで、社訓や行動指針で、社員一人ひとりに実践してほしい行動を定め、共有しています。これらの当たり前のことを徹底的に行う企業風土の醸成から取り組み、SDGsの目標達成を目指します。
 そして、当社はステークホルダーの期待に応え、「快適環境創造企業」を実現するために、3つのマテリアリティ(重要課題)「人に」「街に」「明日に」を特定しています。これらは、持続的な発展に向けた経営計画を策定する上で、基盤となるもので、この考えをもとに当社は、社会の課題解決と、持続的な発展に貢献していきます。

 サスティナビリティの推進強化のため、2011年に設置した「CSR推進室」を、2020年より「SDGs委員会」と改め、より一層 事業活動を通じて、持続可能な社会を追求していく姿勢を明確にしました。


<コンセプトの相関図>


<サスティナビリティ経営 推進体制>



マテリアリティの特定、SDGsとの関連、目標設定


 ホーメックスは、ステークホルダーの期待に応えていくため、取組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定しました。
 また、SDGsの17目標とホーメックスのマテリアリティを関連付けて、事業・活動を推進しており、当社が与える負の影響・リスクを低減する一方、事業を通じて社会の課題を解決し、持続可能な社会づくりを目指します。
 マテリアリティは、SDGsに関する国際的な枠組み・各種レポートから社会の課題を抽出し、ステークホルダーであるお客様への訪問や、お取引先との意見交換会、SDGs委員会における社員への意見聴取をもとに特定しました。

 
マテリアリティ
(重要課題)
社会の課題
(SDGs目標)
ホーメックスの取組み
【事業】   【取組み】
目標
(49~50期)

「人に」
人を笑顔にする
価値を提供する社員を育てる
PPP/PFI事業:あいち夢はぐくみサポーター認定
全社:階層(役職)別研修
全社:アクティブシニア制度 定年廃止
全社:くらし応援特別手当支給
全社:バースデーパーティ(∞会)
全社:HOMEX AWARD
全社:三大制度発表会
全社:危機管理トレーニング
全社:襟を正す日8.16(不正防止イベント)
PPP/PFI事業:東海学園大学協定(産学連携SDGs)
■雇用拡大1800人体制
■定着率95%
■テレワーク推進 在宅勤務率30%
■休日 現場と本社の格差是正
(21日→10日)
■労働生産性向上 残業▲20%
(平均20H以下)
■人事制度に連動した階層別研修100%
■サービス提供スピードUP
(標準化 品質の見える化)
■人材の多様化
(女性、シニア、障がい者、外国人)
■危機管理の体制強化
(緊急対策本部立上げトレーニング)

「街に」
街を明るくする
快適で豊かな暮らしを支える
PPP/PFI事業:こども食堂支援 感謝状受領
PPP/PFI事業:移動型おむつ交換・授乳カー設置
 (企業版ふるさと納税活用)
全社:協力会社合同安全大会
全社:安全パトロール再開
全社:お客様訪問(コミュニケーション)
総合ライフサポート事業:清掃ロボット(AI自洗機)
PPP/PFI事業:ガチャきらり(障がい者支援)
全社:協力会社意見交換会
■事故・労災・再発クレーム ゼロ化
■個人向け お片付けサービス 10件
■DX推進 人手不足解消
 AI・ロボットによる無人化
■BCP計画の策定 グループ連携

「明日に」
未来を輝かせる
環境と調和する社会をつくる
総合ライフサポート事業:エコチューニング事業者認定
PPP/PFI事業:水処理施設 再エネ100%切替
総合ライフサポート事業:お片付けサービス(空き家活用)
環境事業:矢並RCリニューアル ボトルtoボトル
(車シート)
環境事業:生ゴミリサイクル・減容器
(バイオコンポスター)
全社:GHG排出量の策定・削減計画
環境事業:電動フォークリフト入替
全社:節電アクションプログラム参加(シナネン社連携)
PPP/PFI事業:乙川清掃活動
全社:SDGsパートナー(愛知、名古屋、豊田、みよし)
全社:豊田市SDGs認証制度 ゴールド認証
■GHG排出量 SBTへの参加
排出量30%削減(2030年)
■太陽光発電 450kWh/年
■ボトルtoボトル
 クローズドリサイクルの推進
■研究開発 ゴミ減量・管理
■研究愛発 生ゴミリサイクル


GHG排出量データ






ホーメックスの取組

 エコチューニング事業者認定

エコチューニング事業者に認定され、脱炭素社会に向け、建築物から排出される温室効果ガスを削減し、SDGsに貢献します。


 水処理施設 再エネ100%切替

ホーメックスが管理する豊田市の汚水処理施設のうち、約260カ所に点在するマンホールポンプ場の使用電力を実質再生可能エネルギー100%に切替えました。使用電力による年間CO2排出量が395t→0tに削減されます。


 お片付けサービス(空き家活用)

超高齢化社会が進み、孤独死や、家族が遠方にいて故人の家を整理できないケースが増えています。手つかずの家が「空き家」や「ゴミ屋敷」として放置される問題もあります。そういった家を遺品整理士が整理する「お片付けサービス」を行っております。


 矢並RC ボトルtoボトル PETリサイクル(車シート)

トヨタ自動車が取り組む部品リサイクルにおいて、自社回収された廃ペットボトルからシートの表皮を生産する為の新たな流通プロセスを構築しました。


 生ゴミリサイクル・生ゴミ減容器(バイオコンポスター)

ホーメックスが食品事業者から生ゴミを回収して、再生事業者で飼料化・肥料化して、農林漁業者で使用する、循環型社会の確立を目指しています。また、生ゴミを減容して堆肥化する機器の提供も行っています。


 GHG排出量の算定・削減計画

当社の事業活動によるGHG排出量を算定し、排出量の多い項目や、効果の高そうな項目を優先して対策を検討し、削減計画を策定しています。
GHG排出量の削減目標は、SBT(企業版2℃目標)に準じて設定しています。


 電動フォークリフト入替え

矢並リサイクルセンターで稼働するフォークリフト2 台を電動タイプに入れ替えました。


 節電アクションプログラム参加(シナネン社連携)


 乙川清掃活動

ホーメックスが管理運営している岡崎市乙川河川緑地において、市民グループONE RIVERが行う乙川の清掃活動に協力して、廃棄物の収集等で一緒に活動しました。


 SDGsパートナー(愛知、名古屋、豊田、みよし)

各自治体と連携して、SDGsに取組んでいます。
・愛知県SDGs登録
・なごやSDGsグリーンパートナー
・とよたSDGsパートナー
・みよし市SDGs推進パートナー


 あいち夢はぐくみサポーター認定

ホーメックスでは、中学校の職場体験を受け入れを毎年実施しております。愛知県教育委員会竜神中学校より、『あいち夢はぐくみサポーター』の認定を受けることができました。


 階層(役職)別研修

社員の生涯教育を支援する一環として、人事制度の役職別に期待される能力に関する研修を行いました。今後も継続・拡充をしていく計画です。


 アクティブシニア制度 定年廃止

健康なシニア世代の経験や能力をいかして活躍の機会を広げるため、75歳定年により退職する社員を再雇用する「アクティブシニア制度」を制定しました。


 くらし応援特別手当支給

物価高騰による生活への影響を緩和するため、全正社員に「くらし応援特別手当」として一律10万円を支給しました。


 バースデーパーティ(∞会)

社員の誕生日をお互いに祝福し感謝を伝えるバースデーパーティー「∞(エイト)会」を3ヵ月に1回開催しました。


 HOMEX AWARD

社員がイキイキと働ける職場づくりを目指して、永年勤続表彰や各職場での活躍等を称える表彰を行っています。


 三大制度発表会

より良いサービス品質を常に追求してお客様に提供する企業風土を目指して、三大制度発表会(創意工夫提案制度、サービス改善提案制度、チームワーク向上勉強会)を開催しました。


 清掃ロボット(AI自洗機)

ホーメックスが管理運営している公共施設等において、清掃ロボットの導入を行いました。日本では労働人口が減少して、人手不足が進むため、新しい技術を取り入れて、機械化や自動化への取組みを進めています。


 ガチャきらり(障がい者支援)

豊田市ならではのグッズがカプセルに入って出てくる自動販売機「ガチャきらり」をホーメックスが管理運営する公共施設に設置しました。売上は全額、グッズを制作する福祉施設に届き、利益は施設利用者に支払われ、障がい者支援に貢献しています。


 東海学園大学協定(産学連携・SDGs)

未来農業共同事業体が指定管理する名古屋市農業センターにおいて、東海学園大学と包括的な連携・協力に関する協定を締結しました。


 危機管理トレーニング

万一リスクが発生した際に、緊急対策本部を招集して、全社的な対応を進める訓練を実施しました。49期は、人身事故を想定した訓練を行いましたが、毎回想定を変えて実施します。


 襟を正す日8.16(不正防止イベント)

過去に起きた不祥事を風化させないため、「襟を正す日」を毎年開催しています。
49期は講師として泰丘寺の泰丘良玄副住職をお招きして、「当たり前の有り難さに気づく禅の教え~マインドフルに生きる幸せの見つけ方~」というタイトルで講演いただきました。


 こども食堂支援 感謝状受領

地域有志団体 前林発展会様より、高岡公園体育館のこども食堂へのサポートに対して感謝状をいただきました。


 移動型おむつ交換・授乳カー設置

企業版ふるさと納税を活用して、「移動型 おむつ交換・授乳カー」シエンタが納車されました。地域の公園や施設に設置しています。


  協力会社合同安全大会

協力会社との合同安全大会を再開しました。パートナー企業と連携した安全への取組みを継続しています。


  安全パトロール

現地の状況や社員の声を把握するように取組みました。


  協力会社意見交換会


  豊田市SDGs認証制度 ゴールド認証

豊田市内事業者のSDGsに関する取組内容を評価して認証する「豊田市SDGs認証制度」の第1回申請において、最上位となる「ゴールド」で認証されました。



CSR方針

 私たちホーメックス株式会社は、あらゆる事業活動を通じて社会・自然との調和のとれた発展に向けて積極的に努力します。
私たちは、国内外の法令並びにその精神を順守し、誠実な事業活動を行います。
私たちは、「お客様・ホーメイト・取引先・地域社会」などの事業活動に関わる全ての関係者との、オープンでフェアなコミュニケーションを通じて、健全な関係の維持・発展に努めます。

<お客様>
●私たちは、お客様の様々な期待に応えるべく、品質向上と技術革新に徹し、魅力ある商品・サービスを提供します。
●私たちは、国内外の法令ならびにその精神を順守し、お客様をはじめ事業活動に関わる全ての人々の個人情報保護の徹底に努めます。
<取引先>
●私たちは、取引先を尊重し、互いに研鑽に努め、オープンでフェアな取引関係を継続し、共存共栄の実現に取り組みます。
●私たちは、取引先の決定にあたっては、公正かつその総合力を判断して行います
<ホーメイト(従業員)>
●私たちは、「ホーメイトと家族の幸せこそ企業の成長・発展の力の源」との考え方のもと、ホーメイトを尊重し成長を支援します。
●私たちは、全ホーメイトに対し公正な労働条件を提供し、安全かつ健康的な労働環境を維持・向上するよう努めます。
●私たちは、ホーメイトとの誠実な対話と協議を通じて労使の相互信頼を築き、全ホーメイト・会社一体となって、繁栄に向け共に努力します。
●私たちは、経営トップの率先垂範のもと善悪をわきまえて、正しい行動ができる企業文化を育て、それを実践していきます。
<環境・地域社会>
●私たちは、あらゆる事業活動において自然環境に配慮し、環境との調和ある成長を目指します。
●私たちは、地域に根ざした企業活動を通じて、社会の発展に寄与します。
●私たちは、行政機関と誠実かつ公正な関係を維持します。
●私たちは、事業活動を行うあらゆる地域において、地域の成長と豊かな社会づくりを目指し、社会貢献活動を積極的に推進します。

品質方針

お客様のよきパートナーとして満足度の高い品質・サービスを提供し、お客様とご利用者の皆様から信頼を得るべく活動に取り組みます。

Ⅰ、お客様からのクレームゼロを目指します。
Ⅱ、一人ひとりが品質・サービスの維持・向上に努めます。
Ⅲ、安全・安心のサービスを提供します。
Ⅳ、お客様の満足向上とサービス向上の為、継続的改善に努めます。

環境方針

本社・矢並リサイクルセンターの活動、また製品やサービスに関する環境影響を一人ひとりが認識して、自覚と責任を持ち、「地球と地域にやさしいホーメックス」を目指して、積極的かつ継続的に取り組みます。

Ⅰ、環境及び事業に関する法規や規程等を順守します。
 1、循環型社会を目指して、廃棄物のリサイクルに挑戦します。
 2、車両や設備の運転時のエネルギー消費を少なくする工夫や意識の高揚を図り、CO2の発生量の低減に努力します。
 3、環境負荷が低く、地球にやさしい用品を積極的に採用して、地球環境の汚染防止に努めます。
Ⅱ、環境影響を低減するために、目的・目標を定め、継続的に改善活動を推進すると共に汚染予防を図ります。
Ⅲ、地域社会とのコミュニケーションを大切にすると共に、環境交流をはじめ、地域における環境保護の活動に、積極的に努力します。



編集方針

 本報告はホーメックス株式会社の環境・社会への取組みに関する企業活動をステークホルダー(お客様、取引先、地域社会、従業員)に分かりやすくお伝えすることを念頭に作成しました。
対象期間:49期(2022年10月~2023年9月)
レポート発行日:2023年12月1日
次回発行予定:2024年12月1日