第48期サスティナビリティレポート

目次

トップメッセージ


 日本では、2030年には温室効果ガス排出量を2013年比で46%削減、2050年に完全なカーボンニュートラルを実現することを目標に定めています。世界で排出されるCO2など温室効果ガスの多くは、石炭や石油など化石燃料のエネルギー利用から発生しています。そのため、エネルギーの問題とカーボンニュートラルの実現は、密接な関係にあり、石炭や石油といった化石燃料のエネルギー削減と並行して、環境負荷の少ない代替エネルギーの開発が進められています。
 そういった脱炭素で衰退する産業もあれば、脱炭素で機会をつかみ成長する産業もあるでしょう。脱炭素を進めることは、様々な変化を求められます。私たち企業が変化に適応して、産業構造や自社の価値をどう転換していくのかが大きな課題です。

 岸田首相の経済政策として「新しい資本主義」~成長と分配の好循環~が示されました。これは、企業が利益を賃上げや再教育等に分配することで、需要・消費が増加し、企業の次なる成長を支えて好循環をつくるということです。この循環の中で、私たちホーメックスは、お客様に選ばれる価値をつくる努力が必要です。また、社会全体では、良い企業を認定したり、資金を支援したり、持続可能なものにお金を使う仕組みが必要でしょう。

 ホーメックスの事業は、人々の生活や街づくりといった「環境」に直接関わっています。そして、企業理念「快適環境創造企業」を掲げて、事業活動を通じて、社会の課題解決に取組んで参りました。例えば近年は、超高齢化社会が進み、孤独死や、家族が遠方にいて故人の家を整理できないケースが増えています。手つかずの家が「空き家」や「ゴミ屋敷」として放置される問題もあります。ホーメックスの総合ライフサポート事業では、今までの清掃サービスを発展させて、そういった家を整理する「お片付けサービス」を立ち上げ、社会の課題解決に挑戦しています。

 これからもステークホルダーの皆様の声に耳を傾け、脱炭素経営を実行して、サスティナブルな社会づくりに貢献していきたいと思います。

代表取締役社長 

ステークホルダーとの協働に関する考え方


 ホーメックスは、企業理念に基づきステークホルダー(お客様、お取引先、地域社会、社員と家族、行政機関、金融機関等)から信頼される企業を目指します。
 そのため、常にステークホルダーの期待や関心を把握し、積極的に情報開示に努めることが重要と考え、対話を通じて得られた「声」を、企業活動に反映させていきます。


サスティナビリティの考え方、推進体制


 ホーメックスのサスティナビリティの考え方は、経営理念、ブランドメッセージ、VISION2030、そして中期ビジョン「SSプラン」として明示しています。
 私たちは、「快適環境創造企業」を企業理念として、一人ひとりがブランドメッセージ「快適以上をつくれ。」を使命と考えています。当社の事業活動を通じて、人を笑顔にして幸せにする。そして街を明るく、明日をもっと輝かせることを目指しています。
 経営ビジョンでは、SDGsの目標と同じ2030年に向けて、VISION 2030「社会の課題に立ち向かう環境サービスのリーディングカンパニー」を掲げており、環境問題など様々な社会問題を解決すべく、ホーメックスが業界や地域を牽引し、なくてはならない企業として支持される姿を描いています。
また、中期経営計画では、中期ビジョン「SSプラン」を掲げており、「Social Value ソーシャルバリューの創造」「Sustainable サスティナブルな社会づくりへの貢献」の2つを柱としています。「ソーシャルバリューの創造」は、社会の問題を解決し、新たな価値を提案すること、「サスティナブルな社会づくりへの貢献」は、未来の世代にバトンをつなぎ、持続可能な社会の実現を目指すことをそれぞれ意味しています。
 サービス業を中心とする当社では、社員一人ひとりの行動が、サービス品質そのものといえます。そこで、社訓や行動指針で、社員一人ひとりに実践してほしい行動を定め、共有しています。これらの当たり前のことを徹底的に行う企業風土の醸成から取り組み、SDGsの目標達成を目指します。
 そして、当社はステークホルダーの期待に応え、「快適環境創造企業」を実現するために、3つのマテリアリティ(重要課題)「人に」「街に」「明日に」を特定しています。これらは、持続的な発展に向けた経営計画を策定する上で、基盤となるもので、この考えをもとに当社は、社会の課題解決と、持続的な発展に貢献していきます。

 サスティナビリティの推進強化のため、2011年に設置した「CSR推進室」を、2020年より「SDGs委員会」と改め、より一層 事業活動を通じて、持続可能な社会を追求していく姿勢を明確にしました。


<コンセプトの相関図>


<サスティナビリティ経営 推進体制>



マテリアリティの特定、SDGsとの関連、目標設定


 ホーメックスは、ステークホルダーの期待に応えていくため、取組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定しました。
 また、SDGsの17目標とホーメックスのマテリアリティを関連付けて、事業・活動を推進しており、当社が与える負の影響・リスクを低減する一方、事業を通じて社会の課題を解決し、持続可能な社会づくりを目指します。
 マテリアリティは、SDGsに関する国際的な枠組み・各種レポートから社会の課題を抽出し、ステークホルダーであるお客様への訪問や、お取引先との意見交換会、SDGs委員会における社員への意見聴取をもとに特定しました。

 
マテリアリティ
(重要課題)
社会の課題
(SDGs目標)
ホーメックスの取組み
【事業】   【取組み】
目標
(49~50期)

「人に」
人を笑顔にする
価値を提供する社員を育てる
全社:アクティブシニア制度(定年廃止)
全社:階層(役職)別研修
全社:理念教育 BRAND NOTE
全社:HOMEX AWARD
全社:三大制度発表会
全社:襟を正す日8.16(危機管理マニュアル)
全社:ワクチン職域接種 3回目
全社:名古屋市女性活躍推進企業 更新
■雇用拡大1700人体制
■定着率93.5%
■テレワーク推進 出勤率50%
■休日 120日/年
■労働生産性向上 残業▲10H/月 人
(平均20H以下)
■人事制度に連動した階層別研修
■サービス提供スピードUP
(標準化 品質の見える化)
■人材の多様化
(女性、シニア、障がい者、外国人)
■女性活躍 えるぼし認定
■危機管理の体制強化
(クライシスマネジメント)

「街に」
街を明るくする
快適で豊かな暮らしを支える
PPP/PFI事業:ガチャきらり(障がい者支援)
全社:協力会社合同安全大会再開
全社:協力会社意見交換会
全社:安全パトロール再開
全社:お客様訪問(コミュニケーション)
全社:愛知県警感謝状
総合ライフサポート事業:清掃ロボット
インフラメンテナンス事業:緊急時物資輸送協定
■事故・労災・再発クレーム ゼロ化
■個人向け お片付けサービスの確立
■DX推進 人手不足解消
 AI・ロボットによる無人化
■BCP計画の策定 グループ連携
■内製業務の拡大
(ワンストップサービス)

「明日に」
未来を輝かせる
環境と調和する社会をつくる
環境事業:矢並RCリニューアル ボトルtoボトル
総合ライフサポート事業:お片付けサービス
環境事業:生ゴミリサイクル・減容器
環境事業:固体有機物消滅処理装置
PPP/PFI事業:水処理施設 再エネ100%切替
PPP/PFI事業:乙川清掃活動
全社:カーシェアリングの活用
全社:SDGsパートナー(愛知、名古屋、豊田、みよし)
■GHG排出量・サプライチェーン排出量
 削減 3%
■太陽光発電 450,000kWh/年
■ボトルtoボトル
 クローズドリサイクルの推進
■環境教育・コンサルティング
 新メニュー提供
■研究開発 ゴミ減量・管理
■研究愛発 生ゴミリサイクル


ホーメックスの取組

矢並リサイクルセンター リニューアル・ボトルtoボトル

缶、ビン、ペットボトルを回収して、リサイクル処理をする自社施設に、新たな設備を3機導入しました。リサイクル量が133%(1,440→1,920t/年)に増加、CO2排出量を10.5t/年 削減しました。更に水平リサイクル(ボトルtoボトル)を推進して、製造する石油や、リサイクル品の焼却処分を減らして、カーボンニュートラルに貢献しています。


お片付けサービス(空き家活用)

超高齢化社会が進み、孤独死や、家族が遠方にいて故人の家を整理できないケースが増えています。手つかずの家が「空き家」や「ゴミ屋敷」として放置される問題もあります。そういった家を遺品整理士が整理する「お片付けサービス」を立ち上げました。


生ゴミリサイクル・生ゴミ減容器(バイオコンポスター)

ホーメックスが食品事業者から生ゴミを回収して、再生事業者で飼料化・肥料化して、農林漁業者で使用する、循環型社会の確立を目指しています。また、生ゴミを減容して堆肥化する機器の提供も行っています。


固体有機物消滅処理装置(ZEROSONIC)

リサイクルの難しい汚れたペットボトルやプラスチック、医療廃棄物、紙おむつも低コストで消滅処理が可能。固体有機物を燃焼させることなく、活性酸素で分解処理し、投入後はリサイクル可能なセラミック灰のみとなります。


水処理施設 再エネ100%切替

ホーメックスが管理する豊田市の汚水処理施設のうち、約260カ所に点在するマンホールポンプ場の使用電力を実質再生可能エネルギー100%に切替えました。使用電力による年間CO2排出量が395t→0tに削減されます。


乙川清掃活動

ホーメックスが管理運営している岡崎市乙川河川緑地において、市民グループONE RIVERが行う乙川の清掃活動に協力して、廃棄物の収集等で一緒に活動しました。


カーシェアリングの活用

カーシェアリングを活用することで、CO2排出量の削減、都市空間の有効活用といった効果が見込まれ、環境負荷を低減することに貢献しています。


SDGsパートナー(愛知、名古屋、豊田、みよし)

各自治体と連携して、SDGsに取組んでいます。
 ・愛知県SDGs登録
 ・なごやSDGsグリーンパートナー
 ・とよたSDGsパートナー
 ・みよし市SDGs推進パートナー




ガチャきらり(障がい者支援)

豊田市ならではのグッズがカプセルに入って出てくる自動販売機「ガチャきらり」をホーメックスが管理運営する公共施設に設置しました。売上は全額、グッズを制作する福祉施設に届き、利益は施設利用者に支払われ、障がい者支援に貢献しています。


アクティブシニア制度・定年廃止

健康なシニア世代の経験や能力をいかして活躍の機会を広げるため、75歳定年により退職する社員を再雇用する「アクティブシニア制度」を制定しました。


階層(役職)別研修

社員の生涯教育を支援する一環として、人事制度の役職別に期待される能力に関する研修を行いました。今後も継続・拡充をしていく計画です。


理念教育・BRAND NOTE

ホーメックスの企業理念「快適環境創造企業」の実現を目指して、社員一人ひとりに実践してほしい行動を浸透させるためのワークシート「BRAND NOTE」を作成・運用しました。


HOMEX AWARD

社員がイキイキと働ける職場づくりを目指して、永年勤続表彰や各職場での活躍等を称える表彰を行っています。新型コロナウイルスの影響により2年ぶりとなりましたが、感染防止対策を徹底して開催しました。


三大制度発表会

より良いサービス品質を常に追求してお客様に提供する企業風土を目指して、三大制度発表会(創意工夫提案制度、サービス改善提案制度、チームワーク向上勉強会)を開催しました。


名古屋市女性活躍推進企業 更新

女性がいきいきと活躍できるような取組をしている企業を名古屋市が認定する制度に関して、今年認定の更新を行いました。ホーメックスでは、育休制度の活用や、女性の管理職登用等の取組みを推進しています。


お客様訪問(コミュニケーション

お客様の期待や関心を把握し企業活動に反映するため、また積極的に情報を開示するため、トップが直接お客様をご訪問して「声」を聞く取組みを行いました。


ワクチン職域接種 3回目

2022年4月28日、産業医の協力を得て、社員を対象に3回のワクチン接種を実施しました。速やかな接種を希望する方に、機会を提供することができました。


愛知県警感謝状

2022年5月27日、愛知県警察本部長より、安全運転管理優良事業所として感謝状を授与されました。


清掃ロボット

ホーメックスが管理運営している公共施設等において、清掃ロボットの導入を行いました。日本では労働人口が減少して、人手不足が進むため、新しい技術を取り入れて、機械化や自動化への取組みを進めています。


緊急時物資輸送協定(長久手市)

2021年12月3日、ホーメックスと長久手市は「災害時における緊急物資輸送等に関する協定」を締結しました。災害発生時は、防災備蓄品や物資を避難所に配送するなど、復興に向けて力を尽くし、地域に貢献します。




襟を正す日8.16

過去に起きた不祥事を風化させないため、「襟を正す日」を毎年開催しています。今年は、講師を招いて他社の最近の事例について講話をいただき、自社の現状を見つめ直しました。
また、万一危機が発生した時に備える「危機管理広報マニュアル」を作成し、その説明会も同時に開催しました。


協力会社合同安全大会

2022年6月24日、昨年はコロナ禍で出来なかった協力会社との合同安全大会を再開しました。今年は「被害者サポートセンターあいち にじいろ会」をお招きして交通安全講話をいただきました。パートナー企業と連携した安全への取組みを継続しています。


協力会社意見交換会

2022年6月24日、協力会社合同安全大会に続き、協力会社の皆様との意見交換会を開催しました。ステークホルダーの期待・関心・困り事等を把握して、企業活動に反映しています。


安全パトロール 再開

昨年はコロナ禍で出来なかった職場の安全パトロールを再開しました。今年は、安全衛生委員会だけでなく、トップも同行して現地の状況や社員の声を把握するように取組みました。


CSR方針

 私たちホーメックス株式会社は、あらゆる事業活動を通じて社会・自然との調和のとれた発展に向けて積極的に努力します。
私たちは、国内外の法令並びにその精神を順守し、誠実な事業活動を行います。
私たちは、「お客様・ホーメイト・取引先・地域社会」などの事業活動に関わる全ての関係者との、オープンでフェアなコミュニケーションを通じて、健全な関係の維持・発展に努めます。

<お客様>
●私たちは、お客様の様々な期待に応えるべく、品質向上と技術革新に徹し、魅力ある商品・サービスを提供します。
●私たちは、国内外の法令ならびにその精神を順守し、お客様をはじめ事業活動に関わる全ての人々の個人情報保護の徹底に努めます。
<取引先>
●私たちは、取引先を尊重し、互いに研鑽に努め、オープンでフェアな取引関係を継続し、共存共栄の実現に取り組みます。
●私たちは、取引先の決定にあたっては、公正かつその総合力を判断して行います
<ホーメイト(従業員)>
●私たちは、「ホーメイトと家族の幸せこそ企業の成長・発展の力の源」との考え方のもと、ホーメイトを尊重し成長を支援します。
●私たちは、全ホーメイトに対し公正な労働条件を提供し、安全かつ健康的な労働環境を維持・向上するよう努めます。
●私たちは、ホーメイトとの誠実な対話と協議を通じて労使の相互信頼を築き、全ホーメイト・会社一体となって、繁栄に向け共に努力します。
●私たちは、経営トップの率先垂範のもと善悪をわきまえて、正しい行動ができる企業文化を育て、それを実践していきます。
<環境・地域社会>
●私たちは、あらゆる事業活動において自然環境に配慮し、環境との調和ある成長を目指します。
●私たちは、地域に根ざした企業活動を通じて、社会の発展に寄与します。
●私たちは、行政機関と誠実かつ公正な関係を維持します。
●私たちは、事業活動を行うあらゆる地域において、地域の成長と豊かな社会づくりを目指し、社会貢献活動を積極的に推進します。

品質方針

お客様のよきパートナーとして満足度の高い品質・サービスを提供し、お客様とご利用者の皆様から信頼を得るべく活動に取り組みます。

Ⅰ、お客様からのクレームゼロを目指します。
Ⅱ、一人ひとりが品質・サービスの維持・向上に努めます。
Ⅲ、安全・安心のサービスを提供します。
Ⅳ、お客様の満足向上とサービス向上の為、継続的改善に努めます。

環境方針

本社・矢並リサイクルセンターの活動、また製品やサービスに関する環境影響を一人ひとりが認識して、自覚と責任を持ち、「地球と地域にやさしいホーメックス」を目指して、積極的かつ継続的に取り組みます。

Ⅰ、環境及び事業に関する法規や規程等を順守します。
 1、循環型社会を目指して、廃棄物のリサイクルに挑戦します。
 2、車両や設備の運転時のエネルギー消費を少なくする工夫や意識の高揚を図り、CO2の発生量の低減に努力します。
 3、環境負荷が低く、地球にやさしい用品を積極的に採用して、地球環境の汚染防止に努めます。
Ⅱ、環境影響を低減するために、目的・目標を定め、継続的に改善活動を推進すると共に汚染予防を図ります。
Ⅲ、地域社会とのコミュニケーションを大切にすると共に、環境交流をはじめ、地域における環境保護の活動に、積極的に努力します。



編集方針

 本報告はホーメックス株式会社の環境・社会への取組みに関する企業活動をステークホルダー(お客様、取引先、地域社会、従業員)に分かりやすくお伝えすることを念頭に作成しました。
対象期間:48期(2021年10月~2022年9月)
レポート発行日:2022年12月1日
次回発行予定:2023年12月1日